何度かブログでも書いてますけど、私は小学生・中学生のころは、ほとんど本を読まなかった … というか、マンガばっかり読んでたので、
活字だけの本なんて、どこが面白いんだろう?マンガの方がぜんぜん面白いじゃーん。
と思っていたものでした。
けれど父の書棚をみると、難しそうな政治経済の本だとか、子どもから見たら、まったく興味も湧かないような題名の本がズラッと並んでいます。
まぁ大人はいいです。大人になると、活字だけの難しい本を読まないといけないんだな。
そう思っておりましたので…。大人になってから読めばいいや。
そんな風に、子どものころの自分は、活字の本というものを認識していました。
けれど、小学校・中学校時代でも、国語の時間に、読書感想文というのを書かねばならないことがありますよねー。
私はこれが苦手で苦手で…。

授業時間内に、あれは最低何枚くらい原稿用紙を書かないといけないんでしたっけ?1枚、2枚?
ともかく、400字詰めの原稿用紙一枚を文字で埋めることすら至難の技で、何を書いたらいいんだろー、って、ボーっと大半の時間を過ごしたあとで、
授業時間が終わる寸前に、あわてて、読んだ本の「あらすじ」をだらだらーっと、出来るだけ余計な修飾語などを付け足して文字数を稼ぎ、なんとか原稿用紙を埋めて、提出する。
そうした苦痛の時間でありました。
けれど、クラスの中には、小学生といえども読書家というのが何名かはいるものでして…。
私の印象では、たいていそれは女の子ですね。
本を読むのが好き、という賢い女の子がいるものです。
で、そういう子が自分の書いた読書感想文というのを、ほかの生徒たちの前で読むのを聴いたりしていると、
これが同じ年齢の子供が書く文章だろうか?プロの物書きじゃないのー?
Σ(゚д゚;)
というくらい、格調の高い文章を書く子が、ときどきいるんですよねー。ドびっくりです。
とはいっても、自分にはそんな読書感想文は書けるわけもなく、ただただボケーっとして、
そうした読書感想文の達人の朗読を聴いている。
嫉妬心とかそんなものは芽生えません。差がありすぎて、はなから嫉妬の対象ではありえないんですよね。
自分にはあんな文章書けないもーん。だからしょうがないじゃーん。
ってなものです。
読書感想文を書くのが苦にならなくなったのは、高校生になってからです。
高校生になってから何が変わったのかというと、意識的に、活字だけの本をたくさん読むようにしたこと。月に10冊くらいの読書でしたが。
これが明らかに、書く上での気楽さというか、抵抗感を薄める効果があったのだと、今では思います。
読む量に比例して、書くことも容易になっていく。インプットが増えれば、アウトプットも容易になる。そういった因果関係は明らかにあるように思いますね。これはひとつの黄金律だと思います。
マンガを大量に読んでいても、セリフやモノローグ部分で、活字をそれなりの量、読んでることは読んでるんだけれども、
それでも、活字だけの本を一冊読むよりは、あきらかに文字の摂取量が少ないですよね。
一冊の小説と同じ量の活字を読むためには、マンガを何冊読まないといけないのでしょう。10冊でしょうか。あるいはそれ以上?
そもそも文字数が一緒になったとしても、情景描写はすべて絵で済まされちゃっているから、情景を文章で表現するための言葉には、ほとんどお目にかかることが出来ません。マンガばかりを読んでいると。
それから内面描写も、モノローグ形式で表現することはあっても、結局それは心の中のセリフみたいなものだから、活字文章による心理描写というのとはやはり違いますよね。
だから、心のなかを文章で表現する方法にも、あまり出会うことが出来ません。
結局は、マンガで使われる活字というのは、ほとんどがセリフ、セリフ的なモノローグに終始していて、それ以上の活字の使用法には、あまり接する機会が得られないんですよね。
だから、自分自身が表現するための言語能力を鍛えるには、マンガだけでは不十分なんだと思います。
活字の量の違いというだけでなく、よく言われるのが、マンガというのは、最初からストレートに視覚に訴えてくるから理解はしやすいものの、逆に、想像力を鍛えることには向いていない、とも言われていますね。これはテレビドラマや映画も一緒ですね。
読み手に対して、最初から映像イメージを豊富に与えて便宜を与えてくれているから、読み手からしたら読みやすい。ありがたい。わかりやすい。
けれどそのわかりやすさは、逆を言うと、読解能力を鍛える訓練を、不必要にさせてしまっている。そういう長所ゆえの、欠点もあるんですよね。
一般論からいっても、多少の苦労があった方が、人間はさまざまな能力を身につけることが出来るように、
読みやすいマンガを読みふけったり、映画を見るよりも、活字だけから読解していかないといけない、活字本の読書の方が、逆に、イメージ能力や想像力を育む、あるいは、表現力をも鍛える、という、大切な役割が実はあるのだと思います。
本を大量に読むようになってから、自分はそのように感じるようになりました。
いや別に、マンガ批判をしたいわけではありません。
読書の効用ですね。
活字だけの本を読むことで、逆に、活字だけを使っての表現方法、言葉をうまく使っての表現方法が、いつのまにやら身についていく。
読書の効用には、そうした因果関係が明らかにあるように思います。
読めば読むほどに、表現能力の方もそれに比例して、明らかに向上するものだと思います。
読書感想文の話でいえば、
あれだけ小学校・中学校時代には、読書感想文の時間が苦手だった自分が、高校生になって、活字本の読書にシフトしていって、多くの本を読むようになってから、いつの間にやら、読書感想文の時間が苦でなくなっていました。
そのキッカケは、夏休みの宿題で、読書感想文を提出したときでした。
いつものごとく、なるべく薄っぺらい本を選んで、さーっと読んで、書けるものにしよう。ということで、シェイクスピアの『ハムレット』を選んだんですが、
その感想文を、夏休みの終わる間際に、あわてて書こうとしたんだけれど、
ふと思ったことが、
この感想文は、先生が読むだけなんだから、なにも「あらすじ」を書く必要はないんだよね。
先生はとうぜんすでに「ハムレット」を読んでいるものとみなして、書くことにしよう。
私は「ハムレット」を読んでこう感じました、という感想文を書いてやろう。
そう思って、書き始めたんですよね、なぜかその時。
今までは、なんとか「あらすじ」を引き延ばして、文字数を稼いで原稿用紙を埋めようとしていた自分が、なんという変わりようでしょうか。
あらすじ抜きに、はじめて本当の「感想文」を書いたのが、この時だったのだと思います。
まぁそんな大層なものを書こうと思ったわけじゃなくて、思うがままに感じたことを書いてやろう、そう思って、勢いのままに書きなぐっただけで、そのまま提出しちゃったんですが…。
その感想文、なんとその年の読書感想文・入選作品に選ばれてしまいまして、印刷された小冊子が全校生徒に配られてしまいました。
いや、その学校内だけの入選作品だから、大したことはないんですけどねー。
でも自分としては、まさか自分の読書感想文がこんなところに、選ばれて載ることがあるとは!
Σ(゚д゚;) と驚きまくっていたのを覚えています。
というか、その小冊子配られるのを見るまで、載ってること聞いてなかったので、中を開いてさらにビックリ。
まわりで同時に読み始めたクラスメートたちが、レオの読書感想文が載ってるよ、というので、
えーっ! やばい、勢いのままに書いて出しちゃったから、変な言い回しがあったらどうしよう!とまず思い、
おそるおそる自分の手元にある小冊子を開いてみると、
がーん!!いきなり誤字があるやんけー!!それも何か所も!!(/TДT)/
って、先生、知らないあいだに大量印刷するのもアレだけど、誤字をそのまま印刷しなくってもいいじゃーん、ちゃんと直してから印刷してよー!国語の先生なんだからぁー!Y(>_<、)Y
と思ったけど、あとのまつり。
その読書感想文「ハムレットを読んで」が載ってる小冊子は、いまだに大事に手元に取ってあります。
ささやかな変化でしたけど、自分にとっては大きな前進。
こうしたことが積み重なって、本を読んだり、文章を書いたりすることの面白さ、大切さを学んできて、
いまはこうして、ブログで記事を書くことにつながってるんだなー、と自分では勝手に思っています。
もっともブログの記事は、主として、
面白かった本や映画を、記事を読んでくれている方に面白おかしく伝えたい、という理由で書いているものですから、
あらすじ … が結構多いかもしれません(笑)。
おしまい。
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